私におきているモノゴトは
素直に受け入れていますと
唯承さんは言っています
新たな一日の始まりです
坐禅と朝の礼拝後は
朝課で
寺の南側にある火の神さまである秋葉さんと北の水の神さまの弁天さんにに参りますが
日本の仏教だけに見られる仏閣とその土地の神を祀る神社との調和ですね
秋葉さまは観音さまの化身である為
三拝します
お経は
般若心経を唱えます
北の弁天さまは
ニ礼ニ拍手です
般若心経を唱えたあと
ジホウサンシイシフ…
を唱えます
この短いお経は全てのお経の後に
必ず唱えるお経で
この寺で皆が一番最初に覚えらるお経でもあります
その意味は
八方と上下の十の方向の全てのものと
過去、現在、未来の三世に仏性が宿り
万物は悟りへ向かっているという意味だそうです
私たちの朝課の間、
お台所では
唯承さんがお粥をつくります
唯承さんは、
目の前におきたことを全て受け入れる為、
この寺の住職さんの下に弟子入りされたそうです
彼女は
今に気づき、
ただ笑うと言っています
5月の太陽の下で満開したツツジの花と唯承さんは通じるものがあります
大自然の営みをすなおな心で
受けとめている
しかし
受けとめるにはかなり厳しい現実もあります
去年、この龍雲寺で出逢ったスリランカから来られたお坊さんのスニータさんですが
スニータさんは
2004年の22万人の死者をだしたスマトラ地震で家族全員をなくしたそうです
スニータさんも津波に流されながら
やっと、木にしがみつきましたが
流されていく大勢の人の
助けて…助けて…の叫びを聞きながら
何も出来ずにひたすら
ごめんなさい、ごめんなさいを
繰り返したそうです
スニータさんは助かりましたが
その後のスニータさんは
家族全員を失った喪失感と
流されていく人々に対して何も出来なかった自分への罪悪感で生き地獄のような毎日でありましたが
仏道を歩んで
人々に手を伸ばし
この世の役に立つように努めることで
生きる力を頂いたそうです
しかし
今でも
津波に流されていく人々の夢を見ているようです
スニータさんの優しい笑顔と
大丈夫です!私がしますがスニータさんの口癖であるように
スニータさんの日常の一つ一つの行いが
受容の為の修行であると私は思いました
中食後
お昼下がりの寺の庭での坐禅は
清々しい
下界のことなんか夢のようです
Gー合掌